後悔しない選択を!遺品整理を相続放棄する場合のトラブル回避術

親世代の実家を片づけるというのは、しばしば感情的で複雑な問題を抱える事があります。とくに「相続放棄」という選択肢をしなければならない場合もそのひとつ。

とくに50代〜70代などにおいては、約4割が相続対策に取り組んでいるとの調査結果も。

さらに相続を通じて空き家が発生する可能性を予想する人が25.9%に上るなど、相続に対する意識の高まりが見受けられます 参照prtimes.jp

まず、遺品整理をするには、相続放棄のしくみを理解しておくことが重要です。

相続放棄をすると、故人からの財産や負債を受け取る権利を放棄することになります。ただし、この選択をする際には、相続放棄の手続きを正確に行わなければなりません。

そのため、どの遺品を残し、どの遺品を処分するかを丁寧に見極めることが求められます。特に、実家の中に価値のある不動産や財産が隠れていることもありますので、事前の調査が欠かせません。

そこで本記事では、これらのポイントを踏まえ、遺品整理における相続放棄のトラブルを避けるための具体的な対策をお伝えしていきます。

大切な遺品を整理する中で、あなたにとってベストな道を見つけていきましょう。

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目次

なぜ「相続放棄」が重要なのか

それでは、なぜここで相続放棄が重要なのかを見ていきたいと思います。主には以下の3点です。

キャプション
  • 相続に関するトラブルは年々増加、特に高齢化社会では避けて通れない問題だから。

  • 相続放棄」を適切に行わないと、家族間での対立や経済的な負担が生じるから。

  • これらの問題に早期に対処した場合、トラブルを回避できるから。

    近年、日本は急速に高齢化が進んでおり、この社会において相続に関するトラブルが増加しています。

    まず第一に、高齢化が進む中で親世代が亡くなる割合は増加しており、それに伴う相続トラブルも例外ではありません。

    「親が所有していた不動産をどうするか」

    「遺産を巡り、火の無かった親族ともめることになった」

    など、このような問題は非常に身近な存在になっています。

    適切な対策を講じることなく感情のもつれが巻き起こすトラブルには、誰もが巻き込まれたくないものです。

    また子どもの知らない間に親が借金をしている。というケースがあります。加えて保証人は誰になっているか。によっても後々深刻になるケースがあるため、早期に対処することがトラブルを未然に防ぐ鍵です。

    相続放棄は適切に行うことで、相続に関するトラブルを回避し、家族間の絆を守ることができます。

    それでは遺産相続の放棄に関するチェック項目を見ていきましょう。

    親の遺産放棄をするケース

    親の遺産放棄を検討するケースはいくつかありますが、ここでは代表的なものを3つご紹介します。

    借金などマイナスの財産があった

    親に多額の借金があり、預貯金や不動産などのプラスの財産よりもマイナスの財産(負債)が明らかに多い場合などは、遺産放棄の対象になります。

    これらの遺産を相続してしまうと、相続人がその借金を返済する義務を負ってしまいます。このような状況を避けるために、遺産放棄を選択することが多くあります。

    特定の相続人に財産を集中させた

    親の介護に尽力したり、一緒に暮らしてきたなど、特定の人が財産を受け継ぐのが望ましいと考える場合があります。

    他の相続人が遺産放棄をすることで、残った相続人(例えば、特定の相続人)に遺産を集中させることができます。これにより、遺産分割協議の手間を省いたり、特定の相続人の生活を安定させたりする目的があります。

    相続争いに巻き込まれたくなかった

    親の財産が少額であるにもかかわらず、相続人の間で遺産分割をめぐって争いになる場合もあります。

    これらを回避するため、遺産放棄を選択することがあります。また、疎遠な親族との関わりを避けたいといった理由で遺産放棄を選ぶケースもあります。

    相続放棄をするうえでの一般的な手順

    親の遺産を放棄するには、家庭裁判所で行う手続きが必要です。主には以下のような流れになります。

    【重要】相続放棄の期限

    原則として、「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」に手続きをする必要があります。

    非常に短いため、注意が必要です。もし財産調査などに時間がかかりそうな場合は、家庭裁判所に申し立てて期間の延長をすることも可能です。

    遺産放棄の手順1.遺品整理をしながら調査をする

    まず、亡くなった故人(被相続人)にどのような財産があるかを把握します。

    預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金、未払いの税金、保証債務などのマイナスの財産もすべて調べます。

    この時点で、プラスの財産よりもマイナスの財産が明らかに多い場合や、相続争いを避けたいなどの理由があれば、相続放棄を検討します。

    ポイント: 一度相続放棄をすると原則として撤回できません。また、相続財産の一部でも処分したり、使ったりしてしまうと、相続を承認したとみなされ、相続放棄ができなくなる場合がありますので注意が必要です。

    遺産放棄の手順2.必要な書類を集める

     相続放棄の申述には、様々な書類が必要です。相続人の関係性によって必要な書類は異なりますが、

    一般的に以下のものが必要となります。

    相続放棄に必要なもの
    • 相続放棄申述書:家庭裁判所のウェブサイトからダウンロードできるひな形を利用します。
    • 被相続人の住民票除票または戸籍の附票:被相続人の最後の住所を証明する書類です。
    • 申述人(相続放棄を申し立てる人)の戸籍謄本
    • 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本:相続放棄をする本人と同じ場合は不要なこともあります。
    • 収入印紙:申述人1人につき800円分(申述書に貼付します。割印は不要です)。
    • 連絡用の郵便切手:裁判所によって金額が異なるため、管轄の家庭裁判所に確認が必要です。

    それ以外にも以下のような書類提出が必要となる場合もありますので、チェックしておきましょう

      • 被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
      • 子や孫の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
      • 親の死亡がわかる戸籍謄本(代襲相続の場合など)
      • 未成年者の相続放棄の場合、親権者等の法定代理人の書類や特別代理人の選任に関する書類 など

    遺産放棄の手順3.相続放棄申述書を作成する

    資料が集まったら家庭裁判所のウェブサイトからダウンロードしたひな形に必要事項を記入します。放棄の理由なども記載しますが、財産の概要が不明な場合は「不明」と記載しても問題ありません。

    遺産放棄の手順4.家庭裁判所への申述(提出)

    作成した相続放棄申述書と収集した必要書類一式を、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。

    提出方法は、家庭裁判所の窓口に直接持参するか、郵送で行うことができます。

    遺産放棄の手順5.家庭裁判所からの照会書への回答

    書類に不備がなければ、家庭裁判所から申述人に対して「照会書」(質問状)が送られてきます。

    照会書には、相続放棄の意思確認や、相続財産の状況などに関する質問が記載されていますので、正確に回答し、期限内に家庭裁判所に返送します。

    遺産放棄の手順6.相続放棄申述受理通知書の受領

    家庭裁判所が相続放棄の申述を受理すると、「相続放棄申述受理通知書」が送られてきます。この通知書が届くことで、相続放棄の手続きは完了となります。

    これは相続放棄したことを証明する重要な書類となるため、大切に保管してください。

    不明点は専門家に相談しよう

     相続放棄の手続きは、書類の収集や作成期間の計算など複雑な部分も多いため、ご自身で行うのが難しいと感じる場合は、弁護士や司法書士といった専門家に相談することをお勧めします。

    とくに3か月の期間が迫っている場合や、相続関係が複雑な場合は、専門家のサポートが非常に有効です。

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      後悔しないための第一歩を踏み出す

      「遺品整理」と「相続放棄」は単なる手続きではなく、故人やこれからをはぐくむ家族への責任を果たすための大切なプロセスです。

      適切な準備と理解を持って進めることで、家族全員が安心して未来へ進むことができるはずです。

      ですので、トラブルを回避するためにも信頼できる専門家に相談し、ご夫婦にぴったりな終活プランを構築する一歩として、ぜひ対策を検討してみてください。

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      この記事を書いた人

      40代後半を機に両親の介護や親せきがいなくなるなど、今までになかったライフワークが押よせる。準備をしていなかったため、疲労がかさみ、自身も一時入院。その後セミナーや書籍を読み「終活」の必要性を感じる。

      いままでの経験、そしてこれから自分たちにも来るであろう終活をふまえ、当サイトを立ち上げました。

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